お生花は、五七五の限られた枠に言葉を当てはめて表現する「俳句」のように、天地人の3つを表す役枝を三角形の花型に合わせて生けるいけばなの古典様式です。
都古流では、簡素で粋な古典生花をはじめ、枝を自然には無い極端な形に撓め(ため=曲げる意)てその妙味を愉しむ曲生けや、花材の組み合わせで色彩を愉しむ混ぜ生け(別名・新生花)など、様々なバリエーションのお生花を生けています。
古典生花
長い歴史の中で洗練された天地人三才の花型の中に、花材の自然の中での特徴を取り込んで表現します。
曲生け(きょくいけ)
『楔撓め』という技術を用いてまっすぐな枝を自然ではありえない形に曲げて、さまざまな意匠を形作ります。
④ ⑤ ⑥
⑤ 『観世流し』:水の流れを表す古典文様をいけばなで表しています。
⑥ 『富士生け方』:二重の花器の上口に富士・下口に渓流を生ける伝花です。
これらも全て真直ぐな枝を撓めて(ためる=花材を人の手で曲げる)作り上げています。
混ぜ生け(新生花)
古典生花の格調高い姿はそのままに、鮮やかな色の組み合わせを楽しめる新生花は「床の間に飾る」だけではないフラワーデコレーションに進化を続けています。
⑦ ⑧ ⑨
⑧ドライフラワーの「巻柳」を檜葉の色に合わせて金色に着色しています。
⑨柳とグロリオサを合わせて、紅葉ではない秋の赤。パーティーなどにも映える色合い。
もはや「お生花は床の間の物」ではありません。